●040519 発売開始! 川端 裕人さん著 川の名前

多摩川・リバーシップ会の恒例川下りや、やとどろき水辺の楽校の「カヌー教室」にお子さんとともに参加している作家川端裕人さんの最新刊「川の名前」がついに書店に並びました。
子どもの心を失わない大人たち、失ってしまった大人たちに。そしてもちろん、子ども達にもおすすめしたい本です。
川友よ、まずはあなたから御一読を!!
夏、少年は、川の名前を知る。
本格ペンギン小説登場!
『川の名前』 川端裕人著
384P、早川書房
税込み1785円、ISBN: 4152085673
5月19日配本

 川端さんから・・・
 RSへのメッセ-ジ
RSの何人かの方に草稿を読んでいただいて、つっこみを入れていただいておりまして、おまけにクライマックスは奥多摩カヤックバトルであったり、自作カヌーでの河口への川下りだったりいたします。きっとRS関係者のみなさんなら、楽しんでくいただけること請け合い。
もちろん、つっこみ、誤字脱字情報、大歓迎です。
 はじめまして、
 川端裕人です。
 拙著「川の名前」を
 紹介します。
ひとことでいうなら、小学校五年生たちが活躍する「川小説」です。
少年・少女時代、川で遊んだ記憶のあるすべての人にお勧めです。

さらに、本邦初の「本格ペンギン小説」でもあります。
かつて、ぼく自身のペンギン本を読んでくださったり、タマちゃんのかわりに、ペンギンが川を遡ってきたら、なんて妄想をしたことがあるペンギン・フリークなら、即座にクリック・アンド・バイ、です。後悔させません。

そして、最大のテーマとして、「今この場所に自分が立っている」という感覚、つまり、センス・オブ・プレイスについて、真正面から取り組んだ作品でもあります。「川の名前」とは、「今ここ」を指し示すものなのです。

ティーンエイジの頃、SFっ子であり、早川書房から送り出された多くの「うわー、びっくり!」(センス・オブ・ワンダー)にしてやられたぼくが、今あえて同じ出版社からセンス・オブ・プレイスに切り込むことになったのも、何かの縁かもしれません。
それが、実は、多くの人にとって、センス・オブ・ワンダーをもたらすものであるとひそかに信じつつも、とにかく、読んでくださった方が、ご自分の中の「川」と重ね合わせつつ、「川」とのかかわりについて新たな発見をしていただけたら、著者としては最高の喜びです。
 「川の名前」・・・ 菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童の、小学五年生三人が、夏休みの自由研究の課題に選んだのは、自分たちが住む地域を流れる川でした。普段の生活の中では一顧だにされない小さな川ですが、そこには数々の驚くべき発見が隠されていました。ここに、少年たちの川をめぐる冒険がはじまります。

 川は少年たちを受け入れ、居場所を与えます。一昔前ならどこにでもいた、川で遊ぶ子供たち、つまり、「カワガキ」の復活です。彼らはときに対立したりしながらも、つぎつぎに立ちふさがる疑念や困難を、協力してしりぞけることによって、物事を真摯に見つめる姿勢や、自分の行動に責任を持つ態度などを身につけてゆきます。

 夏休みの冒険によって、少年たちが一段と成長してゆく姿は、スティーヴン・キングの名作『スタンド・バイ・ミー』を思わせるみずみずしさを感じさせてくれます。そしてその姿をとおして、川という身近な自然のすばらしさ、そして我々人間との隠されたつながりが生き生きと描きだされています。少年たちの活躍は、かならずや読者の感動を呼ぶことでしょう。

 川端氏が得意とするネイチャーライティングを、ピュアでハートフルな青春物語へと昇華させた、「川」小説であり、実は「ペンギン」小説でもあります。かわいらしいペンギンは、少年たちが川で発見したものと密接にかかわってくるのですが……。ここから先は、ぜひ本書をお読みになって、ご自身の目で確かめてください。川と、川に生きる動物や人間のことが、きっと気になってくるはずです。

 この本を読む前と読んだ後では、「川」を見つめる目が変わります。今年の夏、自分の「川の名前」を見つけてみてはいかがでしょう。
 著者について・・・ 「The S.O.U.P.」を書いた理由 (リンククラブニューズレター)より
http://info.linkclub.or.jp/nl/2002_1_2/digital/index2.html
以前に書かれた「The S.O.U.P.」に関するインタビュー記事ですが、
川端さんの作家としてのコンセプトが読み取れます。

●ほかの著書も読みたい方は・・・→こちらへどうぞ  (AMAZON.co.jp)
 「川の名前」の書評 オンライン書店bk1のサイトから
http://sto-2.que.jp/200405_3.html



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