速報! 第三回 世界水フォーラム
舟運とボランティアを考える 2003年3月17日

多摩川・リバーシップの会会長
長野 正孝

第三回世界水フォーラムが8日間の日程で3月16日開幕しました。
この水会議では従来の水問題に加えて舟運がテーマになりました。
開会式では皇太子殿下が「京都と地方を結ぶ水の道」という記念講演をされ、水に親しみ水上交通を見直し、世界の川や湖が美しさを保ってゆくように望みますと述べられました。

会場はもの凄い人、当初はお飾りであった舟運がどうも主流になった感じ、でも本来のテーマは世界の水資源の偏在、発展途上国の安全な水、異常気象と洪水、渇水です。




3月17日オープニング全体会合があり、基調講演ではオランダ交通水管理副大臣、アメリカ陸軍工兵隊長官、国際航路会議会長、海洋政策研究所所長が講演されました。

全般的な内容的は、舟運は物流だけでなく、歴史、文化を培い、人が入ることによって川が美しくなる、経済的で環境にやさしい手段である、といった我々の主張を含み、今まで言われてきたこと、各国で行ってきた周知の政策の紹介であったのですが、このような場でスピーチされたことに意義があります。その中で注目すべきスピーチが幾つかありましたので紹介します。



舟運のブース


オランダ交通水管理副大臣シュルツ・バン・ボーゲンという女性の大臣は、舟運というものは船会社と国際的、国家的機関及び荷主との長期の契約と透明性の高いルールと国の協力が必要であるということを述べられました。
これは我々ボランティアの川や海での活動についても同じであると感じました。我々の直面している問題、国や自治体との持続的な良い関係やルールができて、初めて安定した活動も成り立つのです。規制やルールの単純なこと、はっきりしていることも重要であるとも語っておられましたが、それもその通りだと思いました。

次にアメリカ工兵隊長官のロバート・フラワーズ氏(アメリカの河川や港の航路浚渫など日本の国土交通省の建設維持管理業務は工兵隊が行っています)は、河川に船を通すことは幅と深さを所要の水準を維持することになり、それによって河川に与える環境が変化し、その評価はNGOの協力を仰ぐことになる。同じく国際航路会議のバンデンエール会長は、堰、閘門によってつくられる河状の変化は生物の多様性を高めるが、それを支えるには市民のサポートが必要であるとも述べておられました。

明日は、河川を利用した防災対策が重要なテーマになりますが、大震災で多摩川の橋が落ち、河原に数万人の被災者が避難してきたような場合、舟による物資輸送は重要になります。お手伝いできることがあるのではと考えながら参加します。

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