ハンザの町/運河の原風景/箱庭的運河都市
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 北ヨーロッパでは、古来より水運が盛んに行われていたが、古代ローマ時代にライン川とマース川下流のオランダで運河がつくられたのが最初の記録である。

 リューベック、ブリュージュなどハンザ同盟諸都市は、14世紀に繁栄の絶頂期を迎えたが、その繁栄の鍵は運河にあった。運河といっても溝のような小さなものであったが、それを通 して西からは羊毛、織物、衣類、工芸品、ワイン、小麦が、東からは魚、塩、毛皮、宝石、金銀がこれらの都市の間を往来した。物の輸送手段は水の上しかなかった。葦の生える小さな水路はヨーロッパ運河の原風景である。  その後、700年という時代の移り変わりの中にあって、ハンザの町の住民は、先人の偉業を讃える歴史的遺産として運河や町並を再現、保存し、往事の美しさを醸し出し、より魅力ある町にすべく努力してきた。教会の尖塔、市役所、昔の風車、橋などランドマークとなる主たる建物、構造物と水路の配置において「透視画法(遠近法)」が用いられ、景観の大きな骨格がデザインされた後に、視点場となる辻、路地、道路、広場、水辺の空間をより美しく見せるいくつかの工夫がなされてきた。

 さりげなく、クレン、帆船などのレプリカを運河の畔にアクセントとして飾り、箱庭的な風景をいくつもつくっている。ベルギーでは風車が、ドイツではクレンやスクラップの船、ポンプ、さびたゲートも材料としてうまく利用している。

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木のある運河 風車と葦原の中の運河 ブリュージュの家並 かつての内港

 

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世界への門戸 ハンザの港 夏の運河港 池と大聖堂

 

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古いクレンのある港町 古いクレンのある川沿いの町 中世のクレン 橋の上に建物がある風景

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